1.グリーンヒル寺田

グリーンヒル寺田団地は八王子の多摩丘陵を開発して建設された1,200世帯を擁する大団地で、当団地ブロックもう直ぐ築40年を迎える高齢な団地である(写真下)。三方を八王子市の緑地帯公園に囲まれ、大通りに面した南側は主としてカシノキから成る高い生垣の防音林になっている。団地内にも中高木は合わせて800本余りも生えており、虫や子鳥の鳴き声は耐えることがない。ウグイスは春を告げ、ホトトギスは夏を告げる。当地は居ながらにして四季折々の変化を感じることができる。
 団地の北西斜面はコナラ林、北斜面はヤマザクラの広い林、かつてこの辺りは、ササで覆われていたが、最近、どこかの会社の新入社員が毎年大勢やって来て林の下刈りしてくれている。恐らく、社員研修の場(共同作業を通しての親睦と協調性の養成のためか?)として利用しているとの噂がある。お陰で、森はすっかり明るくなり、遊歩道もできた。わたしは、ちょっと急斜面ではあるが、珍しいキノコや知らない植物との出逢いを期待しながら散策を楽しんでいる。冬晴れの日にフラクタルな冬枯れの枝の間から澄み切った紺碧の空を覗くときいつも何だか幸せな気分になる。
 団地の西側斜面からの眺めが唯一外に開かれており、眼下に旧寺田町の街並みが見られ、その向こうに多摩丘陵が広がっている。その奥には高尾山が顔を覗かせる。目を南西方向にやると、遠くに丹沢山系の山並が望める。わたしがここに引っ越ししてきて30年余、毎年変わらない風景である。


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