26.常緑樹の剪定時期は何時?

/剪定とは樹木の健康を保つためでもあるが基本的には樹木を傷つける。強剪定すれば樹木に相当のストレスがかかる。落葉樹に対して、ベストな剪定時期は休眠する冬の時期であることは直ぐに納得できる。同様に、常緑樹の剪定も活動が低下する冬の時期であると思っていたが、大きな間違いであった。

/ある時グリーン部会の仲間に「常緑樹の剪定時期は何時か」と問うたところ、「春と秋だ」と。その理由は何か、合理的な答えは得られなかった。その筋の説明では、確かに剪定時期は春から初夏の3月-6月と秋口の9月ー10月とあったが、納得の行く説明が見つからない。”お庭の110番”に正解のヒントを見つけた。これによれば、常緑樹と落葉樹の適切な剪定時期は下表の通りで、曰く

   剪定名 針葉樹 落葉樹 常緑樹
基本剪定(強剪定) 4月~5月11月~2月5月~6月
軽剪定(弱剪定)10月~11月 7月~8月9月~10月
表1 針葉樹、落葉樹及び常緑樹に対する適切な剪定時期

「剪定時期は、一般的に常緑樹・針葉樹は新芽が出る前(春)か、新葉の成長が一段落して新枝がある程度固まったころ(秋)、一方、落葉樹は葉が落ちるころに休眠に入り翌春まで休眠するのでこの期間に基本剪定(強剪定を含む)を行ないます。初夏から真夏にかけて繁茂した枝葉を整え、花後の手入れをするのが軽剪定(弱剪定)で、夏から秋にかけて行います」と。

/常緑樹について何故秋冬での強剪定が望ましくないのか、その筋の人にとっては自明なことかも知れないけど、自分にとって納得の行く説明はなかなか得られない。答えは恐らく、落葉樹と常緑樹における栄養の貯蔵場所の違いとその利用に関係するのではないか、と思われる。すなわち、樹木は夏の間光合成により葉に栄養を貯める。秋になると、落葉樹は葉の中の栄養を種子に、冬芽や花芽形成に利用し、余った栄養分は枝幹の内被組織に移行させそこに蓄える、そして葉は落ち、樹木は長い休眠に入る。一方、常緑樹は、夏に生産した栄養の大部分はそのまま厚い葉に蓄えられ、寒い冬を越す。常緑樹は冬の間休眠しないから葉に蓄えられた栄養を得て生体機能を維持する。だから、冬の間強剪定によって枝葉をすべて切り落としてしまうと栄養の補給源がなくなり、枯らしてしまう危険性があると言うのが、常緑樹は冬の剪定は避ける理由かと思われる。冬を前にして秋の剪定を軽いものとするのも同じ理由であろう。


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