16.フキ(キク科)

/フキ、とりわけフキノトウと言えば、日本の料理には欠かせない旬の山菜である。フキは日本原産で学名をP. japonicusと言う。日本全国の沖縄から北海道まで、朝鮮半島や中国にも分布する。フキは日本人なら誰でも知っている野菜である。が、先日八丈島出身の女性に採ったばかりのフキノトウを届けたら、これどんなにして食べるの、と聞かれた。どうやら伊豆七島、八丈島には自生していないらしい。

 フキには早生フキ、水フキ、秋田フキがあるが、店頭にだされているフキのほとんどはハウス栽培された早生フキで愛知県知多は全国生産の40%以上を担っていると聞く。水フキは関西、秋田フキは2m以上にもなる大型のフキで、北海道に渡って高さ3~4mにも、葉の直径は1.5mほどまでに巨大化し、傘代わりになるほどだとか。これも食用に資すると聞くが食べたことはない。同属の大型の西洋フキはバターバーと呼ばれ、昔バターを包む防腐剤として利用されていたとか。本種はP. japonicusの仲間であるが、食用にはならず、主としてハーブとして、また、抗アレルギー薬、抗ガン剤として注目されているようだ。

/野菜には、葉菜、茎野菜、菓・花菜、根菜は数々あるけれど、フキのように葉柄を食べる野菜は少ない。昨年の5月頃に元テニス仲間で家庭菜園を楽しんでいる友人からリバーブと言う、フキによく似た野菜をいただいた(写真1)。苦味はなく、少し酸味がありジャムにして食べるといいと教えてくれた。調べて見ると、フキによく似ているのでカッコ付きでリバーブ(西洋フキ)と記した記事を見かけたことがあるが、これは間違いで、日本のフキとは全く異なるタデ科の仲間だそうである。

/写真1 ルバーブ と ルバーブの葉柄

/私の近くの市の緑地帯の斜面には広いフキの群生地がある(写真2)。このフキは私が毎年地下茎を移植して広げてきたお陰だ。寒(2月4日)が明けてしばらくすると、春一番の旬の味、フキノトウが出てくるのを毎年楽しみにしている。最初に採取できる幸運はいつも私にある。なぜなら、そこは私が毎朝利用するストレッチングやラケットの素振り場なので、フキノトウの最初の発見者はいつも私であり、一番取りなのだ。いつも初物の天ぷらやフキ味噌を作ったりしている。4,5月になると若葉が出てきて、葉柄の方も煮付けにしたり、つくだ煮にして美味しくいただいている。しばしば、根こそぎ切り取って行く不届き者がいるが、フキはすぐに新しい芽をだす。フキは地下茎で広がるから絶えることがない。無断で取っていく人に対して叱る権利は、もちろん私にはない。

/写真2 左:緑地公園の法面のフキの群生地(はげた部分は体操場) 右:フキノトウ(雄花の蕾) 撮影: 2022.5月と2024.2月


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“16.フキ(キク科)” への2件のフィードバック

  1. zlchsgqowlのアバター

    フキ(キク科) – グリーンヒル寺田だより~あるがまゝを楽しむ
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