14.春は道草を楽しむべし

/ようやく春の気配も感じられる季節になりました。今回は当団地96号棟のC.T. さんからのすばらしいお便りが届きました。転載させていただきます。

/歳を重ねると体力の低下は避けられないけど、幸いなことに時間だけはたっぷりあります。ここ数年、目的地を目指してひたすら歩くのではなく、あちこち道草しながらいつもと違う道を歩くことが、私の習慣になりました。新しい風景や小さなかわいい草花に出会えます。今年の春は近場でキンランやギンランを数か所で見つけました。これらの貴重な山野草の凛として咲いている姿を見つけたときは友人と二人で感動したほどです。今年の春も咲いてくれますようにと祈りながら、ずっと見守っていきたいと思います。

 多くの皆様の関心はもっぱら山野草の花に向かいがちですが、樹木の花も実も興味深いものです。春の樹の花と言えば、梅、桜やハナミズキなどですが、その他さまざまな樹木の花が私達を楽しませてくれます。ご存知の通り、当団地内には、ヒメシャラ、コブシ、ミズキ、エゴノキ、トチノキ、ヤマボウシなどの花が春や初夏の装いを彩ります。

 今回は、近年団地の周辺で私が出会った春の樹木の花を中心にご紹介したいと思います。山野草もそうですが、樹木の名を知ることで散策の楽しみもさらに増しました。

★早春の花木と言えばモクレンコブシ(写真1左)です。コブシは葉が噴き出る前に樹全体に真っ白い花を咲かせ遠くからも目立ちます。名の由来は、挿入図に示すようにその実が手のこぶしのような形であることに由来しています。

★中国四川省を原産地とするハンカチノキ(写真1右)は二枚の大きな花弁が風にひらひらして白いハンカチのように見える、珍奇な花木です。これは花びらではなく苞片だそうです。この苞に包まれた中心に花の塊があります。

/写真1左:  コブシ(モクレン科)東バイク駐車場 2023.3.12         写真1右: ハンカチノキ 2023.4.18

/★トチノキ(写真2左)は、ご存じの通り、当団地のシンボル的街路樹です。かつて咲かずのトチノキ(強剪定を繰り返すため)と揶揄されましたが、近年では花も実も見られるほど大きく育っています。雄蕊が長く伸びていて花は毛むくじゃらに見えます。たまにヨーロッパ原産のトチノキ(マロニエ)も見かけますが、毛状の雄蕊は長くありません。ベニバナトチノキ(写真中)は、マロニエと北米原産のものと交配種で珍しい。片倉城址公園ではこれらの2種が並んでいる姿を見ることができます。

/写真2左: トチノキ(トチノキ科)の花 片倉城址公園(芝生広場西側) 写真2中央: ベニバナトチノキ(マロニエとの交配種)写真2右 トチノキの実 あく抜きするととても美味しい。

/ナンジャモンジャノキ (写真3左)はあまり見慣れない珍木のために人々が付けた愛称。正式名はヒトツバタゴと言います。樹全体を真っ白な雪で覆われたようなふわふわした花を咲かせます。挿入図で見るように、花弁は一枚の花びらが4枚に細かく裂けた珍しい形をしています。本種は皆の人気者でいつもシンボル的存在です。近場では、パークヒルズの管理事務所玄関前にありますので5月初めに是非訪れてみてください。

ホウノキ(写真3右)は落葉樹の森の代表的な高木の一つで、大きな葉と白い幹肌が目立ちます。ホウバ焼きとしてお馴染みで樹木です。

/写真3右: ナンジャモンジャノキ (モクセイ科)片倉城址公園 2020.5.3  拡大図(花弁)   写真3右: ホウノキ(モクレン科)元稲荷山小の正門近く 2023.5.4 その実(挿入図)

/★エゴノキは当団地のあちこちで見られますが、通常白い花を咲かせ、芳香を放ちます。写真4左はピンク色の変種で、ピンクチャイムとも呼ばれています。秋には枝からぶら下がった房状の可愛い実をつけます。

ユリノキ(別名ハンテンボク)(写真4中)の原産地は北米東部。写真からも分かるように、はんてんのような形の葉が特徴でハンテンボクとも呼ばれます。オレンジ色の斑紋をもつ黄緑色のチューリップ状の花が上向きに咲きます。この樹は近くのゆりのき台の街路樹としてご存じの方も多いでしょう。

ヤマボウシ(写真4右)は初夏、白い点々模様の帽子を被ったような目立つ樹木。4枚の花びら(実際は総苞片)が特徴。漢字で山帽子ではなく、山法師。名前の由来は4枚の花弁のような真っ白な総苞片を僧兵の白頭巾姿に見立てたことに因る。5月末から6月になると八王子みなみ野駅から蔦屋書店のある通りの街路樹が白く覆われて大変華やかに見えます。アカバナヤマボウシも見られてとてもきれいです。

/写真4右: アカバナエゴノキ(エゴノキ科)とその拡大図 パークヒルズ 2020.5.9  写真4中央: ユリノキ(別名ハンテンボク)第1住宅管理組合2号棟と50号棟の間 2020.5.31  写真4右: ヤマボウシとその拡大図 当団地の丸公園内  2018.6.7

/追伸:78と79号棟の間から南駐車場へ抜ける路地の端に輝くような黄色の菊バナが咲いている。オオキンケイギクらしい。本種は関東地区に急速に勢力を広げていて、環境省から特定外来生物に指定されている。移植、増殖は違反らしい。直ぐに駆逐すべきかどうか悩むほどに鮮やかなオレンジの花を誇っている。

/写真5 オオキンケイギク(キク科)撮影:2023.5.22

 


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“14.春は道草を楽しむべし” への3件のフィードバック

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